JET2016

JET2016開催にあたり

JET2016 会長 横井 宏佳 (福岡山王病院)

横井宏佳昨今、末梢血管インターベンション(EVT)領域は、テクニックとテクノロジーの進化により、目覚ましい発展を遂げています。特に我が国では、カテーテル治療に精通した循環器内科医が参入し、冠動脈インターベンションで培ったノウハウが応用されるようになってきています。

Japan Endovascular Treatment Conference (JET)が立ち上がった背景には、局所治療の限界が感じられたことがありました。デバイスは格段と進歩し、手技の成功率が向上しているにもかかわらず、開存が維持できず、長期予後が改善されないのは何故かを追求した延長線上にあったのは、末梢動脈疾患(PAD)を局所閉塞として捉えず、全身疾患として包括的に管理するというコンセプトでした。末梢血管疾患には複数の診療科が診断・治療にかかわります。すなわち、集学的医療の極みがEVTであると考えられます。循環器内科、放射線科、血管外科、脳神経外科の先生方とともに始まった本会は、今日ではPADがもたらす疾患にかかわる腎臓内科、糖尿病内分泌科、神経内科、整形外科、形成外科の先生方にも賛同いただけるまでに至りました。その結果、JET2015では2,000人を超える参加者にお集まりいただき、事実上、日本最大のEVTライブコースにまで成長しました。

次なる目標は、我々が培った技術と経験を世界に向けて発信することです。欧米でも日本のEVTに対する注目が集まっており、我々はこの10年で着実に世界とのパイプを構築し、JETの存在価値を高めてまいりました。JET2016では欧米のEVT領域のエキスパートはもちろん、アジアからもこの領域に関心を持つ医師らをお招きし、交流を図れるようなプログラムを企画します。日本のEVTは世界から見て"ガラパゴス"状態と言われても過言ではなく、独自の道を進んできました。テクニックだけを考えれば世界でも定評は得ていますが、それが受け入れられているかは別の問題です。JET2016では、これまで以上に英語のセッションを強化し、"脱ガラパゴス"を掲げて行きたいと考えております。

JETの中核を担うライブデモンストレーションでは様々なレベルの術者が学べるよう工夫を凝らします。今年は通常のライブに加え、欧米で話題のスクラブライブを導入します。このライブでは手技の基本を学べるよう中継を切り替えることなく、手技の始めから終わりまで全てご覧いただき、穿刺部位やデバイス選定のポイント、治療のエンドポイント等、初心者が手技を行うにあたり、知っておくべきtips & tricksを伝授いたします。また、ライブに加えて座学を中心としたフェローコースも充実させ、次世代を担う術者の育成に注力します。

更に、特設会場を設置し、診療科の垣根を越えたディベートや公開座談会を行う予定です。この領域はいまだ発展途上であり、標準的な診断や治療が確立していません。それ故、専門医が一堂に集まる場で症例やエビデンスを持ち合い、あらゆる角度から議論できるような場を設けたいと考えております。様々な診療科の先生方とともに至適アウトカムが追求できるよう会場参加型にしますので、会場の皆様にも気軽に発言いただければ幸いです。

福岡はアジアへの玄関でもあります。「福岡からアジアへ、そして、アジアから世界へ」、これがJET2016が追求するテーマです。2月は福岡も寒い日が続きますが、皆様と共に熱い議論を繰り広げ、末梢血管治療を進化させ続けたいと考えております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

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